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Posts from the ‘お知らせ’ Category

5
7月

MBS「ちちんぷいぷい」で光害の話題が取り上げられます

MBS(毎日放送)の番組「ちちんぷいぷい」の 7月6日(月)放送分にて、光害の話題が取り上げられる予定です。先日、研究室にてインタビュー撮影を行いました。
月曜の出演メンバーは太平サブローさん、たむらけんじさん、ハイヒールリンゴさんなど。台本もなくアドリブで進行していくそうで、どのような話が展開されるか楽しみです。
放送エリアは、関西地区と北海道地区です。

番組サイト:http://www.mbs.jp/puipui/

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光害.net

光害を題材とした児童生徒への環境教育、一般市民への啓発活動を行っています。越智信彰(東洋大学准教授)

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13
6月

The Zoological Lighting Instituteとパートナーシップを締結

この度IDA東京は、ニューヨークを拠点とするNPO「The Zoological Lighting Institute」(ZLI) とパートナーシップを締結しました。

ZLI は生物学の立場から光害の問題に取り組んでおり、非常に心強いパートナーとなります。

ZLI のExecutive Director であるJames Karl Fischer 氏のコメント:
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ZLIとIDA東京の間でパートナーシップが結ばれたことをとても光栄に存じます。

IDA東京は、夜空を光害から守る世界的なリーダーであり、私たちはともに光害を軽減し、日本やその他の国々の野生動物を守るために不可欠な星明かりを点すことができると思います。

ZLIは野生動物への光の重要性、そして地球上における人々の健康で持続可能な生活における野生動物の重要性に対する認識を高めるためにIDA東京と共に活動していけることを楽しみにしております。
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6
6月

光害についての出前講座を無料で実施します

光害をテーマとした出前講座を、全国どこでも無料で実施します。実施可能な日程は限られますので、お早目にご相談ください。下記アドレスより、『B06』をお申込みください。

http://www.toyo.ac.jp/site/haken/41659.html

注)星の見え方への影響など、天文に関わる話題はごく一部です。エネルギー・生態系・人体への影響など、幅広くお話しします。

光害.net

光害を題材とした児童生徒への環境教育、一般市民への啓発活動を行っています。越智信彰(東洋大学准教授)

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30
5月

ご報告(「光のタワー」計画の中止決定を受けまして)

鳥取市役所 鳥取砂丘・ジオパーク推進課様より、「光のタワー」計画の中止が決定された旨、ご連絡をいただきました。IDA東京が公表した懸念文書を含め、多方面からの懸念の声を真摯にお聞き入れいただいたものと受け止め、適切・迅速なご対応に深く感謝申し上げます。代替イベントと共に行われる「鳥取砂丘光のアートフェア2015」がより環境に配慮した形で実施され、成功裏に開催されることを祈念いたします。

2015年5月30日  国際ダークスカイ協会東京支部(IDA東京)

21
5月

鳥取砂丘「光のタワー」計画に対し懸念を表明します

PDF (282k)

 国際ダークスカイ協会東京支部は、鳥取市が鳥取砂丘で計画している「光のタワー」について、光害の観点から懸念を表明し、周辺の生態系や天体観測などへの影響を十分に検討した上で、抜本的に見直されることを望みます。

 夜間の屋外照明は我々の生活に不可欠なものですが、過剰あるいは不適切な設置・運用方法である照明は、光害(ひかりがい)と呼ばれる様々な問題を引き起こします。具体的には、夜行性生物や昆虫・植物などの生態系への影響、人間生活や健康への影響、エネルギーの浪費、天体観測への影響などが挙げられます。

 本計画のように、指向性の強い投光器で天頂の1点に向け光を放っても、その1点だけが照らされるわけではありません。遠方からでもその光線がはっきりと目視できるならば、相当量の光が大気中で散乱し、周囲の空間が散乱光で満たされています。雲による反射・散乱があると、光はさらに拡散します。散乱の程度は大気中の微粒子や雲の量で大きく変動し、どの程度の範囲がどの程度の明るさとなるか、定量的に予測を示すことは容易ではありません。しかし、月明かりのみに照らされていた自然本来の暗さが失われ、自然界とは全く異質のLEDの光が相当な広範囲に行き渡ることは、疑う余地がありません。

 

 本計画は、自然豊かな地方で行われるものとしては過去に類を見ないスケールであり、その影響の程度は推測の域を出ません。しかし、科学的根拠や過去の多くの事例より、以下のような影響が生じる可能性が考えられます。

  • 生態系への影響:生物の多くが、光に引き寄せられたり、忌避したりする性質を持ちます。夜間の人工光はそういった生物の生息分布を変化させ、さらに捕食-被食関係にある他の生物や、花粉媒介の関係にある植物などにも影響が及ぶ可能性が考えられます。
    〔例〕鳥や昆虫が光線に引き寄せられ、周囲をグルグルと飛び続ける。夜に鳴き声を挙げる。
       光源や光線の周辺に害虫が集まる。
       夜行性生物の生活可能圏が縮小する。
       ミジンコや魚が移動し、植物プランクトンが増殖し、水中生態系が変化する。
       昆虫などの光周性が乱れ、越冬できずに死滅する。
       ホウレンソウの育成障害や、樹木の紅葉・落葉遅延が起こる。
       概日リズムに基づいた、様々な生物の行動パターンが破壊される。
    これら全てが、地域の生態系のバランスの崩壊に繋がる危険性があります。生物にとって、夜本来の暗闇は非常に重要なものです。我々人間は、自然界への影響ができるだけ小さくなるよう十分配慮した照明を使うことが求められます。
  • 天体観測への影響:散乱光で満たされた空間を通して夜空を見た場合、空全体に光があふれ、夜空の明るさが増します。天の川のようなほのかな明るさは、簡単にかき消されます。このことは、地域住民から美しい星空を見る楽しみを奪い、近郊にある天文台での学術的な観測を阻害します。また、小学生が理科学習で行う星座の観察は、都市部ではほとんど不可能になっていますが、そのような地域がさらに拡大し、子供たちの自然体験に影響を与える懸念があります。
  • 人間生活への影響:周辺住民にとって、住居の窓から常に明るい光の筋が見えていることは、迷惑光と感じる可能性があります。特に高齢者の目は、より眩しさを感じやすいことが知られています。また、ドライバーやパイロットにとって、見慣れない光の筋が視界に入ることは、安全な運行に必要な注意力がそがれる可能性が考えられます。
  •  これらの影響は、点灯時間を短くしたり、光量を減らすことで、軽減されることは言うまでもありません。しかし、たとえ数分間の点灯でも、影響が完全にゼロになることはありません。

     

     環境省が制定した「光害対策ガイドライン」(平成18年12月改訂版)では、良い照明環境とは『人工光によって造られる光環境のうち、周囲の状況(社会的状況及び自然環境)に基づいた適切な目的の設定と技術により、安全性、効率性、快適性の確保と同時に、景観や周辺環境への配慮が十分なされている環境』と定義されています。そして、屋外照明を計画・設置する際には「照明環境設計者」を置き、計画の初期段階から「屋外照明等設備チェックリスト」に基づく確認作業を実施することが推奨されています。また、『照明設備周辺に生息する保護するべき動植物の有無を調査するとともに、その影響のメカニズムをよく理解し、それぞれ個別に対策を検討すべきである。』と述べられています。屋外で大量の人工光を使用するイベントを、プロポーザル選考で選定するのであれば、その選考段階から環境への影響を念頭に置き、環境および照明の専門家の意見も聞いた上で、決定することが望まれます。

     鳥取は、都会では経験できない豊かな自然・美しい星空を持つ地域です。山陰海岸国立公園には、数多くの絶滅危惧種*を含む貴重な生態系や、鳥取砂丘**をはじめとする自然のままの壮観な風景が広がっています。また、鳥取市南部の佐治町では、その誇るべき美しい星空から、光害を防止するための「ソラクライ・プロジェクト」を展開されている、と伺っております。どうか改めて、その素晴らしい自然環境・星空環境を地域の財産と再認識され、本計画が地域の価値を損なわないよう計画の抜本的見直しを実施し、再度光害の防止・啓発に舵を切っていただくことを期待いたします。

     

    *) 鳥取砂丘には動物のみで環境省版レッドリスト掲載種12種、鳥取県版レッドリスト掲載種17種が生息。
    **) 鳥取砂丘は環境省特別保護地区であり、そこに生息・生育する動植物へ悪影響を及ぼす行為は許されない。また鳥取砂丘に隣接する多鯰ケ池は,11月から12月にかけて冬鳥として飛来する水鳥類の重要生息地である。
    以上、情報提供:鳥取大学地域学部 鶴崎展巨教授

     

    Facebookページはこちら
    https://www.facebook.com/ochi.nobuaki/posts/685011994937633

     
    (2015.5.21 13:40追記)
    一点、訂正します。提案されているランプは、LEDではなくキセノンランプだそうです。14日に電話で問い合わせた際には、LEDとの返答でしたので、本文にはそのように記載しました。

    24
    3月

    富士山ライトアップ計画に対し懸念を表明します

    PDF (220k)

     国際ダークスカイ協会東京支部は、先日報道された富士山ライトアップ計画*に対し、光害の観点から懸念を表明し、環境や社会に与える影響をさらに検討した上で再考されることを望みます。

     光害(ひかりがい)とは、街灯や商業施設の看板照明等が、不適切な設置・運用方法である際に起こる、さまざまな環境問題・社会問題の総称です。照明は日常生活に不可欠ですが、過剰な明るさや目的外の方向を照らす照明は、安全性の向上には何ら役立ちませんし、貴重なエネルギーの浪費でもあります。また、夜間に強い光を浴びることによる健康被害、まぶしさや侵入光といった生活環境の劣化、夜行性生物や昆虫などの生態系への影響、夜空の方向への光漏れにより星が見えにくくなることなどの影響が、多くの事例や科学的根拠に基づいて実証されています。建築物やモニュメント等の夜間演出の手法である「ライトアップ」も、対象物の文化的価値に基づいた明確な目的や周辺環境との調和を十分に考慮してデザインされたものでなければ、光害となる可能性があります。

     生態系への影響の事例を挙げると、夜行性生物の生活圏消失、昆虫の誘因・生息分布の変化、概日リズムに基づいたさまざまな行動パターンの破壊、などがあります。ホタルやカエルなどは、暗がりでのみ求愛行動を取ります。渡り鳥は、上空へのサーチライトに引き寄せられ光にトラップされてしまいます。これら全てが、生態系のバランスの崩壊に繋がる危険性があります。生物にとって、夜本来の暗闇は非常に重要なものです。我々人間は、自然界への影響ができるだけ小さくなるよう十分配慮した照明を使うことが求められます。

     富士山は、日本の象徴であると同時に世界遺産でもあり、その貴重な自然環境を含め国民共有の財産です。太陽光に照らされた雄大な姿、ほの暗い月光にたたずむ優美な姿は、自然に対する畏敬の念を起こさせます。報道された記事によると、実験計画では富士山から20km離れた地点に設置したLED照明装置を使い、山頂付近をライトアップするとのことです。私たちはこの計画に文化的な価値を見いだせず、自然界にとって大きな損害をもたらすものと考え、危惧の念を抱きます。

     

    *) 参考記事:中日新聞(2015年3月18日)『LEDで富士山ライトアップ 20年実現へ』
    http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20150318/CK2015031802000100.html